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テーブルにアイロンをかける
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森のくまさんは時々とんでもないことを考えつく。先だっては、そまつな食事をちいとはロマンチックにしようと考えたらしい。テーブルが蝋燭のロウだらけ。本人は燃え残りの蝋燭のそばで眠りこけていた。仕方なく、新聞紙を当ててテーブルにアイロンがけ。我が家の家具は様々な試練に耐えています。お互いに頑張ろうね。来年も。
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蝋燭の変容:墨色(中尾淳子)ひびきあうもの展より

年末の健康診断では、太りすぎ!血糖値が高い。禁酒禁煙に努力せい、との結果。そのくらい医者に言われんでもわかっておるわい、とくまさんはご機嫌斜め。お酒も甘いものも控えめとなると、なかなかテーブルはリッチになりかねる。蝋燭と食器と音楽で飾らねば・・・。

【森のくまさん大集合】
テーブルにアイロンをかける:2016.1229
まめの勲章、粗忽の勲章:2016.1208
森のくまさん風邪をひく:2016.1108
森のくまさん一刀両断:2016.1028
森のくまさん島籠り:2016.09
くまさんの家は洗濯日和:2016.07


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by trmt-ken | 2016-12-29 13:03 | 森のくまさん | Comments(0)
身体性というテーマ (建築の身体性-2)
福島県の南会津山中に大内宿という集落があります。全長約450メートルの街道に寄棟造の茅葺民家が建ち並んでいて、重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。
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大内宿
宿場町としては長野県の妻籠宿や奈良井宿に次いで3番目の指定ということです。
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妻籠宿 奈良井宿
身体性と機械文明

このような集落を思うたびに「私たちのモダニズム建築は今どこを漂っているのか・・・」と考え込んでしまいます。20世紀後半の機械生産性の向上など文明の進展に伴い、モダニズム建築は歴史的集落や古建築の持っていた多くの価値を失い停滞していった・・・ということを正確に把握する必要があります。

機械力主体の建設工事や工業生産による新しい建材の多用により、労働という身体性が希薄になっていった過程で、モダニズム建築はヒトに対してよそよそしくなっていったのではないか・・・。「身体性」の対極にあるものを「機械生産性」と呼んでいます。対立概念を考えるということによって論点を明快にすることが出来ると思います。因みに「土な」の対立語は「ビルな」と呼んでいます。
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現代都市や現代建築   近年の郊外住宅地

身体性という概念は、「労働」に限らず様々な意味合いを持っています。
〇居心地という身体性・・・棲息適地は居心地が良い。
 (本稿第3回 空間の居心地、心地よい景観)
〇景観における身体性・・・棲息適地を遠くから眺めると好ましい景観と感じる。(同上)
〇架構デザインの身体性・・覆う・もち上げる・吊るすなどにより感じる身体性
 (本稿第10回 出雲大社庁の舎からモダニズム建築を考える)
これは、建築が基本的には「気候や外敵など外界から身体を守るシェルター」であり、風景や景観は「自然とヒトのかかわりの視覚的表象」ということに起因するものと思われます。

テーマとしての身体性
機械文明が後戻りできないとすれば「機械生産性を無視することなく、身体性を保持することはどのように可能か?」という問いが現れます。近年のモダニズム建築の主要テーマのひとつと考えています。言語で語るのは難しいが、方向性のヒントはありそうです。

大技術を避ける
石・土・木・紙など自然素材を小技術で加工し建築を工作する。不便を多少は我慢し完全を求めない。ビニールなど石油化学系建材やFRP、プラチック、カーテンウォールなどの大技術は避ける。大技術は背後の労働が見えず「労働という身体性」から遠い。

手間ヒマを惜しまない
ゆっくり流れる時間を大切にし、丁寧にデザインを煮詰める。メンテナンスフリー建材に惑わされない

田舎の価値観・里の思想
農のある暮らし、物々交換、贈与、自力建設などの行為を再評価する。金融資本主義ではなく里山資本主義。

工芸から学ぶ
19世紀末から20世紀初めにかけてのアーツ&クラフト運動も「工業生産品ではなく手仕事を」という運動でした。100年前の工芸運動にもまして、近年の「ひびきあうもの展」の皆さんからは多くの示唆をいただいています。陶芸や鞄・織物など個々の作品からだけでなく、ものづくりに向かう姿勢や立ち居振る舞いなど、学ぶものは沢山あります。
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森脇靖 川口淳平 樋野由紀子
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ひびきあうもの展
(和)

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by trmt-ken | 2016-12-18 13:56 | 現代建築の現在 | Comments(0)
あたたかな鉄
米子のMintChuChuさんは精力的に展示会を開いておられます。ひびきあうもの展とほぼ同時開催であった、鉄と織の展示会。会期は終了しましたが、年内は品物が保管してあるそうです。シンプルで暖かい鉄の仕事です。
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手仕事というと、妙に変わった形になってしまうことが実は多い。素朴で、何にもしてないようで、確かな・・・ほっとするあたたかさです。
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長野で鉄の仕事と織の仕事をされている、河原崎貴さんと中村摂子さんの展示会より
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中村摂子さんの織物は、川口さんの籠にも使用されています。さっくりとして、籠のテクスチュアとひびきあっています。籐より一息繊細な次元を加えて。
同じことは建築でも。建具に入った無目など壁とガラスを橋渡しする中間の要素があると、がぜん全体が歌いだすことがある。外と中の中間のゾーン・中庭や庇の役割。建築と町並みをつなぐ路地。絵画でも、ある色が下塗りにあると色が生き生きする。相互をどのようにひびきあわせるか。
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そういえば、「ひびきあうもの」とはいいタイトルだなあ。単独を足した以上の世界がある。
・・・考えはあぶくに似て留まることなく、消えたりくっついたり。
(礼)
長いこと『更新中』であったホームページを更新しました。

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by trmt-ken | 2016-12-16 17:16 | mint | Comments(0)
指先という目-長崎家の仕事展-続-
もう一つの目がある。指先で見る世界。
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肌合い、せりあがっていく形、細部の編み目の変化、布や紐との取り合わせなど、触覚と視覚が連動する。指先で考える。
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川口さんの籠を見て動物のようだ、猫だと思った。今回の展示は祖先を見る思い。
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吾輩
撫でて…ふんにゃ、なでれ!と言っている。これから猫の名前を収集する仕事が増えた。それも賢い猫でなくては。いそがしい、いそがしい。

松江藩籐細工長崎家 歴史展
ミント・チュチュ・レザー川口淳平商店において20日まで開催中。
(catてに忙しがっている猫の友)

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by trmt-ken | 2016-12-14 18:58 | mint | Comments(0)
松江藩籐細工長崎家 歴史展
長崎家に伝わる歴史:籐細工【ご案内】
ミント・チュチュ・レザー川口淳平商店において20日まで開催中。
川口さんの仕事はすごいなと思っていた。川口さんの師匠である6代目長崎誠さんの作品、先代、先々代とさらにさかのぼっての仕事を展示中。
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6代目長崎誠
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5代目藤吉
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2代目福太郎

繊細な仕事、綿密な仕事、独創的な仕事、和やかな仕事…人柄がにじむ物たち。布や紐や漆やとの共同作業への発展、様々な感慨を持つ展示会です。こうした仕事が十分に報われるのか、若い人に託せるのかと自問します。写真には写しきれなかったすごい作品もあります。ため息がでるような綿密な仕事。性能のいいカメラ持参でどうぞ。20日まで。

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by trmt-ken | 2016-12-13 20:02 | mint | Comments(0)
恐怖の3度褒め
昔から気になるとそれを見続ける習性がある。母は心配していた。のち警戒していた。

ある時、母の着ている着物をいいね、と褒めた。1度目は喜び、2度目は?となり、3度めにはあきらめてその場で着替えて私にくれた。ウールの普段着であったけれど。別に欲しいといったわけではない。褒めただけ。
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洋服に作り替えて40年。ここまでくると簡単には処分できない。樋野由紀子さんのショールを合わせてまだ着続ける。

愛用している万年筆は、同様に父から分捕った太めのモンブラン。父は黙ってもう少し細めのものを自分用に新調した。寡黙な家族の中で、ある種の会話であったと今は思う。森のくまさんがときどき貸してくれというけれど、ひどく渋い顔をして、返ってくるまでじっと見ている。
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父から分捕って50年。ゆうゆう現役の万年筆。
(礼)
長いこと『更新中』であったホームページを更新しました。
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by trmt-ken | 2016-12-12 21:14 | 着物つれづれ | Comments(0)
まめの勲章、粗忽の勲章
セーターの穴の開き方は習性にて異なる。ひじが抜け、袖口が擦り切れる…これはよく働きましたね、という「まめ」の勲章。片や、胸に点々と虫食いあながあくのは、食べこぼし放置による「粗忽」の勲章。
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「ひびきあうもの」より-セーターを着た象

もったいない大魔神は「粗忽」の袖を「まめ」に移植することを思いついた。サイズは違えど似たげなセーターなれば。ところが、最近まめの胸にも粗忽印を発見。あなおそろしや。合体ならずともだんだんと似てくる年の暮。
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「ひびきあうもの」展より

粗忽セーターには胸から下は切り捨ててマフラーにするという奥の手もある。かくて我が家はマフラー増殖中にて、一度門をくぐると、へこたれてもなかなか成仏させてもらえない地獄門なり。

(くまになりたくないまめのひとりごと)

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by trmt-ken | 2016-12-08 13:10 | 森のくまさん | Comments(0)
【ひびきあうもの】8-9 ご案内最終回
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変容する蝋燭:墨色(中尾淳子)

いつにも増して考えることの多かった展示会。ものつくりの方たちの仕事を通じて、私ども建築の分野へも様々なヒントがひそんでいた。抽象論でなく、切実で、血の通った思考をしたいと思うこの頃。
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作家さんのエールの交換

作品の質というより、わが身にとって切実な切り口に焦点を当てたご紹介で、全体への目配りが不足していた点はご容赦願います。終わるのが惜しい気もしますが、また来年。息長くつづきますように。
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会場の賑わいを見ながら、2階テラスを藤棚にしたいなとか、もうちいと黒でない服も作ろうかなとか、前向きな意欲もわいてきました。参加いただいた皆様、ご来場の皆さま、また主催の高橋香苗さんに感謝します。
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(礼)
ひびきあうもの展は明日までです。
11月28日(月)~12月4日(日)11:00~18:00 open
山陰のクラフト:舩木伸児・森脇靖・樋野由紀子・岡本英利哉・岡本美那子・藤原将史・川口淳平・松本裕子・吾郷直紀・中尾淳子


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by trmt-ken | 2016-12-03 21:12 | ひびきあうもの | Comments(0)
【ひびきあうもの】8-8 技術は素材のなかに
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Matièreの中に納まったTechnique---MとTの組み合わせ文字
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確かな素材は内に向かう。余計なものはいらなくなる。
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白いドレス(岡本英利哉・高橋香苗)グレーの仕事着
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確かで、静かなものに向かって。
「驚愕」やら、「美しすぎ」やら不要に煽られる言葉が氾濫する日常。加速度がないと感動しなくなり、あおり煽られ、人はどこへ行くのだろう。POC A POC。すこしずつ。一歩一歩。
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まぶしすぎると微妙な差が見えない。

ひびきあうもの展はあと3日(土)4日(日)の2日間になりました。
11月28日(月)~12月4日(日)11:00~18:00 open
山陰のクラフト:舩木伸児・森脇靖・樋野由紀子・岡本英利哉・岡本美那子・藤原将史・川口淳平・松本裕子・吾郷直紀・中尾淳子


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by trmt-ken | 2016-12-02 20:49 | ひびきあうもの | Comments(0)
【ひびきあうもの】8-7 12月になったら
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12月に入ると温まりたくなる。
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いつの間にか枯れ木に、飾りがついた。いろんな人が、知らん顔して手を加えていく不思議。
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別室では、オールドアラビアの食器。(poc a poc:井上久美子:ARABIA・ルスカシリーズ)
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木のオブジェ(松本 樸):火のともらない蝋燭。音の出ないピアノ。動かないミシン。
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仁摩図書館では、画面の出ない木のパソコンが案内板として置いてある。(チョークで手書きする)…あえて「できない」、「ない」。わがとこにはそういった類のものがどっさりあるが。洗濯をしない洗濯機とか。
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夜にこっそり華やぐ。

11月28日(月)~12月4日(日)11:00~18:00 open
山陰のクラフト:舩木伸児・森脇靖・樋野由紀子・岡本英利哉・岡本美那子・藤原将史・川口淳平・松本裕子・吾郷直紀・中尾淳子


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by trmt-ken | 2016-12-01 19:20 | ひびきあうもの | Comments(0)