<   2015年 04月 ( 12 )   > この月の画像一覧
よみがえる服・着続ける服
我が家の衣替えは連休祝日。ざっと水をとおしてハンガーにかけます。
f0202518_1131751.jpg
あの夫婦は2人とも、気の毒に2.3枚しか服を持ってないのではないかと疑っている方が多いと思いますが、実はもう少しはあります。少なくも10人の影武者ができるほどは持っています。実費はほとんどゼロで、寺本や父の古ワイシャツだの、娘のお下がりだのを工夫して製作しています。
お洒落着の方の出番は少ないですが、母や祖父母の着物が由来。ケチな性分もあるけども、懐かしさが大きい。お召、紬、縮、ウールも八端も。
f0202518_11314442.jpg
祖父の布団側であった八端より。布団の閉じ孔もそのままに、履歴とわりきって。
緑の服は祖父(娘からは曾祖父)の普段着の紬から、礼子のお洒落着となり、最後に娘の晴着になった「お上がり」です。
f0202518_11323889.jpg

着物を仕立て直すときには、長く着るための工夫が要ります。多少の体形変化に耐えられるようにする、傷みやすく、年齢の変化を感じやすい襟は取り換えられるようにしておく、(黒襟も用意すれば略喪服になります)端切れをどこかに縫い付けておいて、修理時に備えるなど。考えてみれば、家の仕舞と同じだなあと思います。服にして30年、着物として30年、代を継いで60年は着続けてきました。
中古は、人手に渡れば価値が下がりますが、自分で活かせば喜びが増す不思議な生き物です。
f0202518_1133177.jpg
子供晴着・寺本のウール古ズボンより。
(礼)

Mint chu chu Leather 川口淳平商店における展示【ご案内】
f0202518_22221135.jpg

Mint chu chu Leather 川口淳平商店にて、【生活の中の建物1 家について】川口さんのご厚意により5月10日まで 会期を延長いたします。連休中もどうぞお出かけください。
[PR]
by trmt-ken | 2015-04-29 11:34 | 着物つれづれ | Comments(0)
本好きの本棚
私の最初の設計は本棚でした。
f0202518_14535838.jpg
中学生の頃です。有り合わせの本棚に詰め込まれたり、押し入れに新聞紙にくるまれているものや、足の踏み場もない量の本で、一部屋全部図書室のようにしました。新宿の紀伊国屋(前川國男設計)の本棚のようにダークな色にして、その部屋が隠れ家みたいな部屋でありました。本を捨てられないのは遺伝的病です。
f0202518_17445295.jpg
天井までの本棚は引っ越しの時に危険なので、上下分解して地下室に搬入。
f0202518_8344237.jpg
このたび、魅力的な本屋さんDOORbookstoreを一部改修することになり、本棚を作れそうでうれしくてたまらない。自宅には東京の父の残した本を引き取るための本棚もつくりたい。
f0202518_8352826.jpg
DOOR-bookstore 米田由美子さんの作品のあるコンクリートブロックの壁
f0202518_84623100.jpg
Door中庭の円形庇
本が建物以上に家そのもののような気がするのはなぜだろう。時空を超えて著者と訳者と父と対話しているからだろうか。松江に住んで30年、幾分かの空白をはさんで実家にいた年月をこえているのだけれど、いまだに夢に見るのは本に埋まった東京の家です。
(礼)

[PR]
by trmt-ken | 2015-04-27 17:55 | 読書日記 | Comments(0)
大屋根の家【生活の中の建物1 家について】
Mint chu chu Leather 川口淳平商店にて、【生活の中の建物1 家について】4月28日まで。
f0202518_19594551.jpg
ご紹介の最後になりますが3タイプのモデルのその1は大屋根の家です。:大社の家
f0202518_2002180.jpg
大きな屋根に守られた、「家」の原型をなす形だと思います。木架構を現わした大きな居間を中心に天井の低い部分や、2階書斎・個室が寄り添う構成。
f0202518_201977.jpg
西新宿の家:松江に引っ越す前、渋谷に事務所を持っていた頃設計した住宅。
f0202518_2014251.jpg
前面に緑地などがあれば一番造りたい家です。
f0202518_2021470.jpg
菅田庵下の家
f0202518_2032561.jpg
川口さんの司会によるお話会(4月19日)
お出かけいただいた皆様、ありがとうございました。
(礼)

[PR]
by trmt-ken | 2015-04-25 20:12 | 建築 | Comments(0)
【300年共に生きる家】
東津田の明治初期に建った住宅の再構成です。
150年前の既存建物の改修も検討しましたが、様々な事情から復元的再建となりました。切妻の母屋に下屋を廻す外観は従前と変わらず、内部空間を再構成しました。
f0202518_15342852.jpg
大黒柱をはじめ、縁桁や床板、式台、建具、欄間などできるだけ再利用しています。今まで150年、今後の150年を見据えています。座敷は以前の雰囲気のまま。
f0202518_15355723.jpg
栗の大黒柱は加工して、仏壇脇の棚にしました。
f0202518_1538755.jpg
従前は3列の奥行で中央部分が暗かったため、今回は少し桁行方向を縮め、また天窓を採用しました。
f0202518_15363515.jpg
座敷以外の日常生活部分は、天井の構造を現わし開放的な造りとしています。
f0202518_15373910.jpg
f0202518_15421856.jpg
家族の次の150年を託す家です。
(礼)

[PR]
by trmt-ken | 2015-04-23 15:43 | 建築 | Comments(0)
【生活の中の建物1 家について】中庭タイプ
川口淳平商店における展示【ご案内】
Mint chu chu Leather 川口淳平商店にて、【生活の中の建物1 家について】4月28日まで開催中。
19日には多くのお客様にお出かけ頂きありがとうございました。
f0202518_20492932.jpg
今回敷地形状に応じて3タイプのモデルを設計しましたが、そのうち展示タイプ2は中庭型住宅です。
中庭型の住宅は実は世界中で古い歴史をもちます。古代エジプト・ペルシャ・ギリシャ・ローマ・イスラムから中国・韓国など。日本の伝統的家屋でも、坪庭や光庭としてみられ、通風・採光の機能のほか、ほっとする緑のスペースとなってきました。
f0202518_20512438.jpg

現代でも、特に住宅などが密集する敷地に有効な住宅形式だと考えます。木造の場合、木製テラスなどで段差をなくせば、室内の延長としてより使いやすくなります。
f0202518_20523093.jpg
米子のメンタルクリニックでは患者さんの居心地を特に重視しました。人との視線や、話し声が気にならないように、ゆったりしたところや、ひっそりしたところを設け、明るすぎないようにしています。診察室も含め、中庭だけでなく各所に光庭を配置。
f0202518_20531357.jpg
中庭・光庭とも植栽は「庭の林の森の」前田・小林夫妻。
外壁側は開口部を制限できるため、守られた雰囲気となります。
f0202518_20533711.jpg

今回の提案はロの字タイプですが、コの字タイプや二の字タイプも可能です。清光院下のギャラリー(二の字)、外中原の自宅(コの字)も中庭型です。
f0202518_20545951.jpg
どちらも室内以上に活躍しています。樹木は成長しますので、庭は建築当時よりも年々よくなっていきます。
(礼)

展覧会「生活の中の建物1 家について」
  • 会期:2015年4月2日~28日 毎週水曜は定休日のため休みです。
  • 時間:13:00~19:00

[PR]
by trmt-ken | 2015-04-20 20:58 | 建築 | Comments(0)
日々な建築・普段な住宅
軽井沢の別荘(吉村順三)
f0202518_16181199.jpg

学生の時、「コンクリート造の1階とその上に載っている木造2階のバランスがとても良い」と思っていました。改めて2階の居間や食堂の様子を眺めると、2階は森の中に浮かんでいる「人間の巣」。大昔の人類が木の上に住んでいるころはこんな感じだったのかナア、と感心します。2階居間のお手本ともいうべき空間。
f0202518_9154462.jpg
森に浮かぶ居間

倉の増築(ピーターズント-)
f0202518_169431.jpg

200年前の倉の建っている広い農地に別荘(書斎)を建てることになった時のこと。倉を壊してその跡地に新築するか、それとも倉を眺める位置にするか思案した結果、倉の増築として建てることになったということです。「古い建物は壊さず再利用するもの」というズント-さんの主張が聞こえてきます。

吉村さんとズントーさんの二つの小住宅は、足元を掘り下げることの大切さを教えてくれます。

モダニズム建築の現在-2の「懐かしい建築・新しい建築」のなかで以下のような記述をしました。
新しい建築は魅力的であり、新しさを目指すことは建築の本質的な行為の一つです。しかし、20世紀後半の新しさへの志向には、大きな勘違いがあったのではないか。「建築家の自己表現」などという言葉に代表されるように、建築にとって新しいことや独創性のみが大切であるという勘違いや落し穴に陥ったのではないか・・・。周辺の街並みや自然環境、建築の利用者を大切にすることの中から、おのずとほのかに浮かび上がってくるものこそが建築の個性であり、独創性と呼ばれるべきものではないのか・・・と考えています。

「新しさや独創性へのこだわりが、現代建築の混乱を増幅している」という論の先に何が見えてくるか・・・と思案しながら、
○右肩上がりや上昇志向の限界が見えてきている現在、時代にふさわしい建築を目指したい。
○普通の建築を丁寧につくることが大切ではないか。
○「普通」や「丁寧」を深めることが、次のステップにつながると思う。
などと考え、日々の仕事に向かっています。

4月中は、米子のMint chu chu Leather 川口淳平商店で、居心地の良い住宅についての展示を行なっています。
f0202518_16121438.jpg
背後が守られ前方が開けた空間は居心地の良い場所
f0202518_16114244.jpg
敷地面積:45~60坪、建物面積:30~40坪程度の「小さな家に豊かに住む」というテーマです。「普通で丁寧」を言葉でどう表現しようか迷っています。「土な建築・土なモダニズム」に倣って「日々な建築・普段な住宅」などが候補ですが、いまいち!との評があり。
(和)

[PR]
by trmt-ken | 2015-04-16 16:21 | 現代建築の現在 | Comments(0)
【再生された土の壁】
f0202518_16345928.jpg
「庭の林の森の」は西伯郡南部町清水川飛渡りのたんぼにぽつんと建つ蔵の店舗です。
f0202518_1630264.jpg
倉吉にあった蔵を解体・移築されました。内外共本物の土壁です。倉吉の土は高品質とのことで、土も再利用されています。1階が観葉植物などの店舗、2階は広間、櫻の花見の名残がありました。
f0202518_1631493.jpg
f0202518_16314916.jpg
中も花、外も花、芽が膨らんでこれからの季節が待たれます。キース・ジャレットが流れる土の空間。本物の土には亀裂が入る。「どうだ」といわれているようです。
f0202518_1633387.jpg
地方で仕事をしていると、地元に腰を据えて、風土を慈しんで働いている方々と出会います。
深いところで肯定されているような、都会にいたときには予想しなかった体験です。

若い頃には、新しいもの、創造的なものに対するあこがれが当たり前でした。折れやすい神経をなだめながら、身を削っていました。今、本当にそうだろうか、と思います。結果として新しいものが生まれるかもしれないけれど、「新しさを目標にする」とは少し違うような。
 
建築分野以外の方と出会うたびに様々な思いがわきます。
よい一日となりました。
(礼)

f0202518_16333724.jpg
解体前の蔵:倉吉にて

Mint chu chu Leather 川口淳平商店にて、【生活の中の建物1 家について】展示会開催中。4月28日まで。(水曜日定休日)
[PR]
by trmt-ken | 2015-04-14 16:42 | 建築 | Comments(0)
【安来赤瓦集落の家改修】
京橋川沿い町家の改修についてお知らせしましたので、古民家改修記事の再登場です。
安来の里山沿いには赤瓦の連なる集落が点在し、いつも気になっていました。その中の1軒の改修工事です。
f0202518_832523.jpg
昭和中期といっても、造り方の作法は連綿と受け継がれたもので、差鴨居で固め、一部大和天井があります。外観は工事後もほとんど変わらず、また表側座敷は工事中も仮住まいできました。
f0202518_7451087.jpg
水回り、台所、寝室など山側の改修で、天井の低かった台所・食堂は一部吹抜けとして、本棚のあるギャラリーを巡らせています。チョウナ掛けのくねった梁が一部あらわしとなっています。
f0202518_7454125.jpg
2階の窓からは赤瓦の集落の連なりが見えます。1軒だけではできない、大切にしたい風景です。
f0202518_746118.jpg
(礼)

[PR]
by trmt-ken | 2015-04-12 08:06 | 建築 | Comments(0)
【町家再生-正面改修がひとまず完了しました】
京橋川沿いの町家再生工事のご報告。
堀沿いの景観助成のスケジュールに合わせ、正面ほど1期工事として完成しました。店舗・住居部分は打合せを進めています。
f0202518_9251964.jpg
2間半の間口の両袖に筋違を入れ、代わりに中央部分は大きく開けています。白壁と黒杉板および格子の構成。
f0202518_18121313.jpg
基礎工事中【参考】
f0202518_9253935.jpg
改修後京橋川対岸より。店舗がオープン前のためシャッターが下りています。
f0202518_9255576.jpg
工事前【参考】

若い世代のU ターン・堀沿いの景観形成地区・空家再生事業・チャレンジショップなど、様々なモデルとなる事業です。堀川に面し、遊覧船が通過するたびに手を振って松江市の観光に一役かっています。
借り手・家主・役所・現場など、調整が大変だということがわかってきました。それでも一歩一歩、松江が良くなると嬉しいです。引き続き、借りたい方、貸したい方、双方ともに要望があればご連絡ください。担当越野
[PR]
by trmt-ken | 2015-04-10 09:28 | まちづくり | Comments(0)
【町家再生-正面改修がひとまず完了】
f0202518_9171422.jpg

京橋川沿いの町家再生工事のご報告。堀沿いの景観助成のスケジュールに合わせ、正面ほど1期工事として完成しました。店舗・住居部分は打合せを進めています。
f0202518_9182617.jpg
工事後:店舗がオープン前のためシャッターが下りています。。
f0202518_9174928.jpg
工事前(参考)
若い世代のU ターン・堀沿いの景観形成地区・空家再生事業・チャレンジショップなど、様々なモデルとなる事業です。堀川に面し、遊覧船が通過するたびに手を振って松江市の観光に一役かっています。
借り手・家主・役所・現場など、調整が大変だということがわかってきました。それでも一歩一歩、松江が良くなると嬉しいです。引き続き、借りたい方、貸したい方、双方ともに要望があればご連絡ください。担当越野
[PR]
by trmt-ken | 2015-04-10 09:23 | まちづくり | Comments(0)