プレ・ロマネスクの小さな教会 ■プレ・マネスクの教会 プレ・ロマネスク様式の教会としては、スペイン北部のオビエドやレオンなどの都市に残るものが知られている。これらの都市はアストゥリアス王国 (718~915)やレオン王国(910~1109)の首都であった。
サン・フリアン・デ・ロス・プラードス教会(9世紀頃) サンミゲル・デ・リーリョ教会(842年) サンタ・マリア・デル・ナランコ教会(848年) ■ サン・ペドロ・デ・ラ・ナーベ聖堂
7世紀末建設されたスペイン・カスティーリャ・イ・レオン州サモラ県の村に建つ小さな教会。 内部の天井は筒型ヴォールトに覆われており、アーチは馬蹄形アーチを採用している。この馬蹄形アーチがこの教会で唯一装飾性を帯びており、とても効果的と思う。窓は少なく小さい。暗い室内の光の印象深さが想像される。 最も大きな特徴は住宅の様に親密なスケール感。 主身廊の幅は約4m、交差部は8畳の広さしかない。ロマネスクやゴシックの大聖堂の第一印象は「ウワーッ、すごい!」に尽きるが、小さな教会には「ナントッ・・・もっと近寄ってみたい!」という感慨が湧く。 ブッキラボーな外観 主身廊と馬蹄形アーチ 小窓の馬蹄形アーチ 8帖広さの交差部を照らす窓明かり ギリシャ十字型の平面
ピレネー山脈の麓バル・デ・ボイの高台にあるサント・キルクの庵はロマネスク時代の小さな教会。主身廊・内陣と塔のみで構成される素朴な佇まいは、ピレネー山脈を背景とし秀逸。
石の壁や瓦屋根、石敷きなど自然素材による丁寧な手仕事・・・という一般的なことと共に ○ 小さいなかにも高さがあり、垂直性を感じるプロポーション などが挙げられるのではないか。
フランスの小さな教会 このような特徴は、モダニズム建築の吉阪隆正や鈴木恂のコンクリート打放し住宅と共通する。 と反芻し、
ヴィラ・クウクウ(吉阪隆正) 彫刻家のアトリエ(鈴木恂) 「装飾が少なく素朴で本質的・必要最小限という潔さ、プリミティブ」などの特徴については、木造の小さな古民家とも共通するものがあります。(和) 真鍋家(愛媛県17世紀)
by trmt-ken
| 2019-06-03 10:47
| 建築
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