建築評論への視線-1 プリツカー賞の価値観
建築界のノーベル賞と言われているプリツカー賞は、1979年にアメリカ人実業家であるジェイ・プリツカーとその妻シンディによって設立された賞です。毎年1人(または1グループ)の建築家が受賞しています。第1回はフィリップジョンソン、第2回はルイスバラガン・・・と続き、今年は41回目でインドのバルクリシュナ・ドーシが受賞です。昨年はスペインの3人組RCRアーキテクツ、一昨年はチリのアレハンドロ・アラベナでした。安藤忠雄やSANAAなど何人かの日本人も受賞しています。

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B ドーシと事務所

そのプリツカー賞の価値観について眺めてみよう・・・と思っています。1979年というと、建築は後期モダニズムに入ったころですので、世界の後期モダニズム建築の代表的価値観を考察することになります。
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RCRアーキテクツと事務所

前期モダニズム時代には建築評論という分野があり、日本では川添登や伊藤ていじなど建築評論家と呼ばれる人達が活躍していましたが、近年はジャーナリズムで建築評論を見かけることはほとんどなくなってしまいました。建築評論の不在です。

建築評論が珍しくなった・・・といっても、「こんな建築が好ましい、あの建築はダメ」という議論は多くの建築現場で日常的に行なわれています。また、各種の表彰や設計者選定プロポーザルでは、「選考や評価、講評」などが繰り返し行われています。この様に「建築の論評」は常に行われてはいるのです。

この春の「住処・棲家の自然 第1章 現代(モダニズム)建築の現在」は近年のモダニズム建築総体に対する批判・・・という側面を持ってはいますが、評論としてもっともっと踏み込む必要があると考えています。「どういう建築が好ましいか、あの建築は何故よいか、またはダメか」についてのオープンな議論が必要と思い、その一つの試みとしてプリツカー賞の考察に向かってみることにしました。(和)

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by trmt-ken | 2018-08-28 18:17 | 建築 | Comments(0)
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