L’Ecole de Chaillot(パリの古建築研究所)のこと-6〈試練の日〉

シャイヨーのことを描いて6回目になった。楽しいことばかりでは片手落ちになるだろう。楽ではない。課題、レポート、筆記試験や口頭試問まであった。野球選手が大事な試合の球種をすべて覚えているように、絶対絶命の口頭試問のやり取りは今も鮮やかに記憶している。ゴシック建築史は沢山の裏返された写真から一枚を引いて、それについて述べるというもの。一枚目ははずれ。事務長さんがさりげなく顔色をみていて、外国人留学生には2枚目のおまけがあった。2枚目は当たり。大好きなランのカテドラルであった。





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Laonの大聖堂内部>

ほっとして、パリ大聖堂とほぼ同時代にかかわらず、丘の上にあって彫りが深いこと、壁から独立した束ねられた支柱により3本・5本とリズムを刻んでいること、塔から顔を出す印象的な牛の像のことなどを話した。平面の特徴は?東面は平らでノルマンディの伝統を継いでいます。・・・マドモワゼル、あなたの成果には大変満足しています。言葉の困難があると思いますが、どういう風に勉強しましたか?・・・録音機の助けを借り、忘れないうちに、スケッチブックを持って出かけました。・・・ロートレックを思わせる、いつも少し悲しげなティリオン先生がにっこりされて、何とか生き延びることができた。

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Laonの大聖堂・側廊>

本当は、言葉さえも建築の授業から学んだのだった。「2枚目もはずれの場合」は、恐ろしくて決して考えないことにした。一日にして禿げなかったのが不思議。

支える力・留める形が表現となる。フランス独自の理性が形を得て生まれ出た瞬間のような、いきいきとした感動的な聖堂。ポンピドーセンターの荒々しい表現をも許容する精神の源流をみる。

(礼)


シャイヨー校について

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by trmt-ken | 2016-09-19 09:46 | chaillot | Comments(0)
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