L’Ecole de Chaillot(パリの古建築研究所)-5〈祭具・象徴について〉

白川静の漢字学に触れると、呪術や祭りごとに起源をもつ文字がいかに多いかに驚く。

物の世界も同様。祭壇・洗礼盤・聖杯・顕示台・宝物櫃・幕などの聖別された「もの」が、横たえる・洗う・ささげる・かぶせる・隠すなどの日常の行為との間を行き来しながら特別な意味を獲得していく。

ローマ時代の浴場が初期キリスト教で洗礼堂に転生する飛躍。コルビジェが、洗面台になぜあれほどこだわるか。教会堂主廊が箱舟(nef)と呼ばれる理由。言葉とものと象徴が脳みその中で絡み合い、発光する。当たり前のものが違った様相で見え始め、背後には深く豊饒な闇。我が国の建築学科では取り扱わない分野であった。ラングドン教授がおでましになりそうな。

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Vézeray,Sainte-Madeleine寺院>

マドレーヌを食べて別世界へ飛ぶ・・・聖マドレーヌは特別な存在であったし、貝殻のかたちはサンジャックの印であった。Vézerayへは、Avallonから徒歩で到達。これは女性へ捧げられた聖堂であるとなぜか全身で納得した。プルーストがbaignoireという言葉で桟敷席を表すとき、人は浴槽を想起する。そして浴場は体を洗う機能以上にもなる。

(礼)


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by trmt-ken | 2016-09-17 21:15 | chaillot | Comments(0)
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