松江人は感情で動くのです 一昨日(3月14日)市役所で市長面談がありました。市長さんは過日、マンション予定地の買い取りに京阪不動産㈱に出向き、同社社長とトップ会談を行ったという事でした。会談の冒頭、同社社長は開口一番「自分たちは『法律』に乗っ取って事業を進めてきた。松江市というのは、『感情』で動かされるのか?」と話されたので、市長は「松江市は『感情』で動きます」と答えた・・・そうです。 市長、素晴らしい・・・松江人は『感情』で動くのです。
■好ましい景観・・・という『ヒトの感情』 ヒトはなぜ景観にこだわるのか、好ましい景観とはどのような状態を指すのか・・・と景観論を煮詰めていくと、「棲息適地の景観は美しい」という英国の地理学者の棲息適地論に行きつく。「動物や魚、昆虫やヒトなどには棲息適地がある。そして生物の棲息適地を遠くから眺めると、ヒトは好ましい景観と感じる」という「見晴らし=隠れ家理論」と呼ばれる20世紀後半の景観論である。 水郷水都であり城下町である松江の物的環境はヒトの棲息適地。従って、棲息適地を破壊しようとする動きに対しては「感情=ヒトの本能」で反発する。資本の論理より、棲息適地を守る本能の方がはるかに強いのだ。 ■おいしい景観 当日、藤原義光さんの「贈呈」は秀逸だった。荒木英之著「松江食べ物語」上下2巻を市長に進呈したのである。「そこに書かれている地域の食文化と今回の景観の問題の根っこは同じである。松江の文化というのは、そこに書かれているような幅広い視野や奥深い思想が底流に流れている。それを理解して欲しい。」と。
実は「おいしい景観」という言葉が景観論にはある。 景観の起源を辿っていくと、好ましい景観とか美しい景観の背後には食べ物が潜んでいる・・・という説である。「食料としての獲物」や「たわわに実る果実、豊かな麦や稲の風景」を眺めて、大昔のヒトは「おいしそうな景観➡美味しい景観」と感じたのだろう。それが転じて「美しい景観」となったという説である。きっとそうだ・・・と思う。 ■実りある話し合いでした 「これを機会に、市民も議会も審議会も市長さんと一緒になって松江の景観(文化)を考えるシンポジウムを、定期的になさってみては」と藤原さんは続けました。 本間代表からは「松江城に来訪する観光客に問いかければ、観光客の全てが反対している。大口町からもたくさんの署名、応援が届いている」との発言。他にも「事業者への通知や回答文を読むと、景観審議会に全責任を負わせたように読める。私も以前に景観審議会の委員をしたが、それでは委員のなり手がいなくなる。最終責任は市長が負うべし」、「好ましくないの発言はもっと前、この計画がわかった時点で出せたはずだ」、「景観審議会委員が選出母体の中で検討する時間の余裕がないと審議会で深い議論ができない」、「とにかく粘り強い取り組みをお願いする」・・・などの発言があり実り多い話し合いでした。
■今後の展開 (1)19日9時から、景観審議委員と市長さんを含む松江市の「話し合い」があります。 スティックビル501.502号室。(傍聴可能) (2)その様子を受けて、市議会の建設環境委員会・まちづくり委員会の合同会議の再開。 市役所第二常任委員会室。 (3)風景会議は、3月23日(土)、30日(土)は定例会議。 3月31日(日)14時からスティックビル5階大会議室にて拡大会議。
大きなヤマ場を迎えています。 (1)の様子を受けて、(2)・(3)の詳細が決まりますので19日にお知らせする予定。 また、京阪不動産㈱の社長さんに「塩ならぬ和菓子」を贈呈することになりました。「よろしく・・・」と。 #
by trmt-ken
| 2024-03-17 15:15
| まちづくり
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by 寺本建築・都市研究所 タグ
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