棟札に書かれた名前
この度、阿久比のお寺で生まれてはじめて棟札に名前が書かれた。しかも格別のご配慮で、旧姓で。表彰状を頂いた小学生のようにちょぴりおもはゆい。

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落慶法要の際、内陣に飾られていて、そのうち屋根裏の隠れ部屋辺りに置かれそう。次に人の目に触れるのはきっと次世代になるだろう。設計から工事へと3年にわたって、打合せのたびに合掌で見送られ、だんだんありがたい気分になってきた。
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東門への参道を上る稚児行列

京都から、揖斐川・長良川・木曽川を渡ると名古屋に着く。川も名前をつぶやくと急になつかしくなる。お寺に伺うのを来山という。そういえば隠岐の祭りも山曳。ふるさとの山や川…きっと懐かしいのは国ではなくて山や川や海なのだろう。なによりも、山のお寺の屋根裏に、いつでも泊まれる隠れ部屋のできた幸せ。
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土間のホールではコンサートなどもできるようになった。 長年この架構の重量を支えてきた大黒柱は6㎝ほども沈み込んでいた。一見してあまり前とかわらないが、いったん壁を落として重機で持ち上げRC基礎の上に再設置している。火事の時に難を救ったという龍の潜む古井戸なども見えるようになった。奥の座敷は、新しい柱は白いまま、古い柱は黒いまま。当初は調和を心配したが、どれほどの期間のスパンで考えるかの差かなと思う。檀家さんに説明するにも、新旧がわかりやすい。土間の隅柱は四方から仕口があり、欠損だらけ、補修だらけ。頑張っているね、ここまでくると取り替えられないねと、さらに補修を重ねて現役続行。

周囲に巡る下屋はほとんど新しくなり、1間角の建具が並ぶ。庭師さんにはプレッシャーで、夜も眠れない日々を過ごしたとのこと。歴史に耐えた材料と様々な人の思いをのせて、落慶式および開山500年祭の日を迎えた。

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# by trmt-ken | 2017-11-01 18:17 | 建築 | Comments(0)