<   2016年 07月 ( 7 )   > この月の画像一覧
労働という身体性 (モダニズム建築の現在-11)
■棚田や土塀と身体性 
棚田や土塀はどうして美しいんだろうか、
なぜ感動的なのだろうか・・・?と考えてみました。
f0202518_1736421.jpg
「正しい棚田の作り方」より

理由はいくつもありそうですが、その一つに「風景の背後に、作業をした人たちの手や働きを感じる」ということがあるように思います。
水を張ること・土を捏ねること、石や瓦を積むこと・・・などの作業の身体性による結果は、造形的な味わい深さとともに、「私にもできそうだ、今度やってみたい・・・」という感慨を呼びます。
f0202518_1737588.jpg

この「わたしにも出来そうだ・・・」という感情が、「美しい」という印象に加えて『愛着』にも繋がっているように思います。

■コンクリートブロックの身体性
f0202518_17365175.jpg
上乃木高台の家・清光院下の家

上乃木高台の家(DOOR bookstore)や清光院下の家のコンクリートブロックからも、一枚づつ積んでいる職人さんの労働が目に浮かびます。そして「今度の休みに、ブロックを組み立てて本棚や炉を作ってみようか・・・」などと考えたりします。20cm厚さのブロックは結構重いのですが、1枚なら持てます。

■歴史的集落の価値と身体性
f0202518_1739890.jpg
高梁市吹屋

日本や世界の各地に残っている歴史的集落の価値については
○ 自然系素材による統一感と親密感
○ 機械ではなく、人間が尺度となっているスケール感の心地良さ
○ 熟練した職人の技や丁寧に丹精込めてつくられたものの味わい
○ ゆっくりと流れる時間によって形成されてきたことによる確かさ
○ しみじみとした感動
などと理解されています。(本稿第1回美しい街は可能か)特に価値の高いものは世界遺産や日本遺産として登録されています。
このような「自然系素材・ヒューマンスケール・手仕事・ゆっくりした形成・しみじみ感」という歴史的集落の価値を、「身体性」という概念で総称することにしました。
f0202518_17394391.jpg
ドブロクニク


f0202518_174089.jpg
イタリアの漁村


■「身体性」を失った近年のモダニズム建築
20世紀後半の建築技術の飛躍的進歩の結果、現代建築は古建築や歴史的集落の持っているかけがえのない価値である「労働という身体性」を失ってしまったのではないか・・・。失ったものを「土から離れてしまった」と述べてきましたが、「土」の中心には「身体性」と呼ばれるものがあるように思います。

この身体性は、私たちが設計でこだわり続け、格闘して来たものでもあった・・・LカーンやLバラガン、Pズント-達のモダニズム建築を敬愛する大きな理由が、「身体性を保持したモダニズム建築」だからではないのかと思い返しています。

冷たくてよそよそしい・・とか退屈だ・・・とか、感動がない・・・と言われている近年のモダニズム建築の停滞感を考えたとき、「モダニズム建築は何を達成したか?」を探ること以上に、
近年のモダニズム建築は何を喪失したか?」
を追究することが重要だと思っています。
(和)


『モダニズム建築の現在』について、これまでのテーマは以下の通りです。
1. 美しい街は可能か
2. 懐かしい建築・新しい建築
3. 空間の居心地・ここちよい景観
4. 漂うモダニズムを読みました
5. 新体育館は現代的デザインがふさわしい
6. 土な建築・土なモダニズム
7. 土な建築・土なモダニズム-2
8. 新国立競技場問題と土なモダニズム
9. 土なモダニズム・新しい地域主義
10.出雲大社庁の舎からモダニズム建築を考える
[PR]
by trmt-ken | 2016-07-27 17:52 | 現代建築の現在 | Comments(0)
くまさんの家は洗濯日和
本日は寺本が出張、一人残った休日は洗濯三昧です。洗濯機が壊れ、このところ出張続きだったので、隅っこに詰め込んであるものや、バッグの底に潜んでいるものや…引っ張り出すとぞろぞろと。
f0202518_21484187.jpg
手ぬぐいで保冷材を包んだもので鉢巻をして、スポーツ気分で勇ましく足踏み洗い。靴下だけでも大変な量です。これに黒い靴下が約同量。森のくまさん意外に衣装持ちかも。靴も白と黒と2足あるし。水着はなぜか3着あるし。
(礼)


森のくまさん大集合
くまさんの家は洗濯日和:2016.07
パンダ左膳参上:2016.05
森のくまさんめがね屋に行く:2016.03
愛用の文具:2015.05
夏みかんがどっさりできました:2012.02
[PR]
by trmt-ken | 2016-07-24 22:00 | 森のくまさん | Comments(0)
裏返された座布団-catside down-
朝日新聞連載中の吾輩は金田邸の偵察を終えて鈴木君を待ち構える。
f0202518_1448240.jpg
来客用座布団に済まして鎮座する猫大明神。一瞬ひるむ金鎖の鈴木君とにらみ合い。ご主人がやってきて猫をつまみだし、ようやく鈴木君座布団を裏返して-turned it catside down-居場所を確保。翻訳者に一枚上げたい座布団春うらら。『ⅠAm a Cat-Ⅱ』より
f0202518_15112182.jpg
思うに、IamがIAmであるところに苦心がみえる。
(礼)

[PR]
by trmt-ken | 2016-07-16 14:59 | 折々に・・・ | Comments(0)
空から降る音
天窓を開ける季節到来。空気が流れるのがわかる。遠くの音が聞こえる。朝は鳥の声。一畑電車の音。
f0202518_9333760.jpg
季節と時間を告げる光。影によってそれを知る朝。
(礼)

[PR]
by trmt-ken | 2016-07-09 09:34 | 折々に・・・ | Comments(0)
モダニズムは武器?
建築にとってモダニズムは「一つの武器」であったのではないだろうか。武器を向けられる対象があり、構える主体は別にいる。
ネオ古典、ネオゴシック、東洋趣味など、なんでもありで混乱していた当時の様式に対し、風穴を開ける力を持っていたと思う。しかしながら、今本当にもう一歩を踏み出すには「一つの武器」があるだけでは十分でない。
f0202518_19484495.jpg
ロンシャンにて

f0202518_19482317.jpg
コルビジェは、造形への強い傾斜を持ちつつモダニズムで切り込んだ。ルイスカーンは古典や廃墟への思いを保持していた。バラガンは、土のにおいの豊かさを手放さない。スカルパに至っては、食卓のナイフのように古典を優雅に料理する。翻って、自身に何にもなくて武器だけもっていては未来は荒涼たるものだ。
f0202518_19535426.jpg
ベローナにて

f0202518_19515497.jpg

車に乗ると、決まって『モダニズム』についてひねくり回す夫婦の会話。で、いつも道をまちがえる。幸せというべきか、不幸せというべきか。
f0202518_1956992.jpg

(礼)

[PR]
by trmt-ken | 2016-07-05 19:57 | 建築 | Comments(0)
清光院下のギャラリーのご利用について
f0202518_10372838.jpg
-展示の様子 -

時折、清光院下のギャラリーについてのお問合せをいただきます。常設ではなく、看板も出さず失礼しております。ご利用は以下の通りです。
なお、「ひびきあうもの」展は今年は秋(11月27日~12月4日)に予定しております。
f0202518_10375193.jpg
-米田由美子:作品 -

清光院下のギャラリーのご利用について】
  • 一般の方の集まりやコンサート・展示会にもご利用いただけます。
  • 利用料金は、半日:5,000円・1日:10,000円です。建物の維持費等にあてています。
  • 5mx12mの長方形の主室に中庭を挟んで控室があります。30席から40席程度の集まりが適切です。ピアノ、スクリーン、キッチン使用可能
  • 貸ホール専用の施設ではないため、駐車場などの制約があります。7月下旬より8月末までは夏休みにて閉館します。詳しくは下記にご相談ください。
  • TEL:0852-26-1196(有光・ありみつ)
    メール:trmt-ken@mable.ne.jp

清光院下ギャラリーにおけるコンサート
清光院下ギャラリーにおける展示会
f0202518_10561774.jpg
-川口淳平:籠 -

[PR]
by trmt-ken | 2016-07-03 10:41 | コンサート・催し | Comments(0)
花を活ける器展-原 洋一器展-『ご案内』
米子市のMintChuChu さんにて7月6日(水)まで開催中
f0202518_18575455.jpg
素焼きの花器は、ろくろのあと削り出して面をとり、一度目の素焼きでねじれ、釉薬をかけると少しもどるとか。手仕事と土と火の祭り。
f0202518_18584078.jpg
初めて見るオブジェも。大人も水も花も戯れる素焼きの迷路。流れに置いてみたい。
f0202518_185916.jpg
花は『庭の林の森の』さんの手による。名も知らぬ草花がいきいきとして。静止した空間に息がかよう。
f0202518_18593297.jpg
一つとして同じものはないひねりと景色。同時に米子のティズクレイさんでは原さんの食器展を開催中
(礼)


清光院下ギャラリーのご利用について
[PR]
by trmt-ken | 2016-07-01 19:01 | mint | Comments(0)