<   2015年 12月 ( 8 )   > この月の画像一覧
日本のタヌキ-土佐いごっそうの笑い方-
男の人は泣かないものだ、笑わないものだ、と永いこと信じていた。
それに加えてしゃべらず、愛想のかけらもない父の、笑ったのを見たのは2回。
一度目。映画鑑賞のお供に連れて行かれて、チャップリンを見ながら隣でくつくつ笑っていたのでびっくりした。幼児にはちっとも面白くなかった。
2度目。ころころ太った祖母が狸の襟巻(顔がついていて、しっぽをくわえて留める)をして出かけようとした際にプッと吹出した時。考えてみればきわどい場面で(義母に対する不敬行為)、たぬきさんはかわいそうにその後ひっそり処分された。
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松江の自宅には、たまに狸が出没する。先日は奥の坪庭にいて、しっかり目があってしまった。本日の山陰中央新報には、日本のタヌキは固有種で貴重とあった。残念。また、父を思い出した。毛皮にはとんと縁がない。
(礼)

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by trmt-ken | 2015-12-30 16:39 | 折々に・・・ | Comments(0)
川口淳平さんの籠
先日「人生は短く、道ははるか遠い」と書いた。その遠い道を一歩一歩確実に歩んでいる友人を見ることは、幸せ。
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3匹の兄弟籠
ミントの川口淳平さんの籠は、また一歩進んで、川口さんの作品になった。勝手に付けた銘は『吾輩』。なんだかミントさんの猫のように、柔らかく、存在感があって、いつでもそばに置いておきたい。なでてみたい。
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「吾輩」横顔:違棚にあってもいい風情
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四角から楕円へ編みあがる。楕円部分は花結びの技
籐(本体)・皮(持ち手)・綿(巾着)・絹(組み紐) の異素材の組み合わせ。それぞれの要素が個性と存在感を保ちながらふっと出会う場が発生している。
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[吾輩」アップ:それぞれが名前を付けてもらいたがっているような籠。
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コチャとコハク。写真はすべて川口さんより拝借しました。
(礼)

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by trmt-ken | 2015-12-28 17:50 | mint | Comments(0)
私的脳内現象について
金縛りのような感覚があった時を思い返してみると、いくつかの分野で同時に刺激を受けていたことに思い至る。
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VillaCAPRA :VICENZA

たとえば、パリで見たドンジョバンニの映画。音楽+映像に加え、言語はイタリア語(この時、フランス語に近いのがわかった)、字幕はフランス語(留学2年目で、慣れ始めた頃)、舞台はベネチアなどのパラディオの別荘・・・(ロリン・マゼール指揮、キリテ・カナワなど)豪華舞台はおくとして、不慣れな言葉をステレオで理解しようとする時、何かの【たが】がはずれてしまうのかとも思う。もう一度体験してみたいものだ。
芝生の上を巻紙を広げながらのレポレロのカタログの歌『ミッレ・エ・トレ!』と叫ぶところは『ミル・エ・トロワ!』と字幕。言葉のさざ波がよせてくる。その波に酔う。

もう一つ。テレビで見た野田秀樹「赤鬼」のロンドン公演。英語セリフで日本語字幕付。それまで演劇は敬遠気味だったが、この時は女優の友人に思わず電話してしまった。

短期間にフランス語を詰め込んで、考えることからメモ・手紙にわたるまで一気に切り替えた時、単語を聞くだけで、めまいと吐き気に襲われた。これも脳内で何かの現象が起きたのかなと思う。それから、ついに完璧にマスターしなかったあかしか、聞こうと意識しないと言葉が入ってこない。身近にそのような研究者がいないが、聞いてみたいことの一つ。
ジョイスのように多言語を操る人にとって、言葉は複合的な相貌が幾重にも重なって立ち上がるのだろうか。

建築に引きよせて考えると、空間の構成・構造・素材・明るさ・色・響き・反映など、様々な要素が同時進行する分野ではある。限りなく相互に響きあって。人生は短く、道ははるか遠い。
(礼)

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by trmt-ken | 2015-12-26 17:43 | 折々に・・・ | Comments(0)
『Daja』さんの本
この秋、清光院下のギャラリーにて『Daja』 (板倉直子店長) さんの服の撮影があり、本ができあがりました。ギャラリーの雰囲気にも合った、自然体で年齢不問の着こなしがいっぱい。板倉さん自身がモデルです。
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中庭の木漏れ日
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古ぼけた扉の色と靴の色が呼応して
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階段にて。ちらっと見える靴下に気をつかうかどうか。
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表紙「主婦と生活社」より

さて、自分自身はなんでも似合う体型とは程遠くまたかなりのケチなので、服はめったに買わないが、それなりのこだわりはある。(「ある」から「ないこともない」へと変遷途中。)寺本も同じ。恐るべきは、全然違うと思っていても長年一緒にいるとだんだん似てくること。急に水着が必要になって、衣類をかき回したら、私のは2着、寺本のは3着も出てきた。それぞれ持っているのを忘れてまた買ったらしい。ただし、「2着の人が3着を笑うな」というお叱りも聞こえて。
(礼)

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by trmt-ken | 2015-12-22 12:11 | 着物つれづれ | Comments(0)
自分が自分となる時-名前の持つ意味-
理由はいろいろある。でも自分が自分になった時、なんという名前だったかは大きな出来事だと思う。その「瞬間」は人によって違うだろうけれど。
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広島にて

私の場合、それは中学生の時であった。以来、建築という仕事を選び、結婚し、松江に移住し、少しずつ変化しているけれど、根っこのところは変わっていないと思う。それが私の名前。
厳密に信念を持って旧姓を使用してきたわけではない。しかしながら、本音を通すことが物つくりの基本だと思うので、微妙な違和感にも誠実でありたいと思う。

試薬のように、どの場面ですわり心地がいいか考えてみる。
物を作っているとき…絶対に旧姓
文章を考えているとき…これも旧姓
病院で呼ばれるとき…戸籍の方が良い(仮面に隠れたい。あるいは番号でもよい)
母親として学校に出かけるとき・・・戸籍がよい(誰それの母親ということが大事)
隠岐で親戚付き合いのとき・・・戸籍(誰それの妻ということが大事)
東京で実家関係の付き合いの時…どちらでもよい
昔の友人と会うとき・・・旧姓(旧姓でないとわからない)

眺めてみると、事務手続き上や、関係の中にいることが問われる時には戸籍名でよいが、創る・考えるなど存在にかかわるときは旧姓でないと自分でないと思う。考えることさえできない。
別の試薬。…男の人へ。合憲判断をした裁判官諸氏へ。たいしたことではないならば、自分が変えてみてはどうですか。
(礼)

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by trmt-ken | 2015-12-17 20:13 | 折々に・・・ | Comments(0)
『雪国の木造寄宿舎』-島根景観賞に決まりました-
本年度の島根景観賞に『雪国の木造寄宿舎』-飯南高校寄宿舎が選ばれました。関係者の皆さまの、いいものを作りたいという熱意が実ったと本当にうれしく思っております。ありがとうございました。
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第23回:飯南高校寄宿舎月根尾寮(飯石郡飯南町)-校舎からの俯瞰
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-雁木デッキ-雪国仕様の多目的スペース
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思いがけないブログの読者を発見して、喜んでみたり、気を引き締めたりもしています。舎室のベッド(H1.4m)は、自宅のベッドを参考に設計しました。部屋の中でも一息プライベート感が強く、私は本を積み上げて、眠くなるまでの至福の時間を過ごします。
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この機会に今までの景観賞受賞作を整理してみました。(以下の写真はすべて古川誠さん)
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第15回:蔵々 『大手前通りの並び蔵』

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第14回:松江市営住宅荻田団地(宍道町)『中庭を囲む公営住宅』


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第13回:荒神谷博物館 『史跡に建つ国宝展示館』


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第12回:仁摩町生涯学習センター・仁摩図書館 『木造架構の図書館』


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第4回:金屋子神話民俗館 (広瀬町) 『傾斜地に建つ展示館』


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第3回:高橋邸『丘の上のコンクリートブロック住宅


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第1回:海遊園鶴丸 『海辺のレストラン』
なお古川誠さんの写真展が12日(土)より、平田本陣記念館にて開催とのことです。
その他の受賞
第1回島根建築文化賞:仁摩図書館
第5回公共建築賞:平田図書館・学習館
第1回米子市都市景観施設賞:善五郎蔵
平成19年度島根建築・住宅コンクール:ボートピア松江
平成23年度島根建築・住宅コンクール:五箇小学校木造校舎耐震改修
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by trmt-ken | 2015-12-08 11:22 | 建築 | Comments(0)
嵐のあとで
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吹付ける風と、何やら雨だけでないものが屋根を打つ音を眠りながら聞いていた。他に寝る場所がないわけではないが、壁に守られた家の屋根裏に、毎晩梯子を登って自然の音を聞きながら眠る。あらしの後は、頑張って残っていた最後の葉っぱが落ちた。欅の落葉はいい香りがする。
いい香りの落葉からできた灰と、コーヒー滓を漉き込んだ土は、かき混ぜていてもおいしそうに見える。植物に近寄りすぎかな。バラの花やアイビーはいいけど、ミミズはちょっといやだな。休日の土いじりは至福の時間。そんな時は必ず鳥がやってくる。ヒヨドリ、ヤマガラ、エナガ…。今年は巣をかけるだろうか。
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小鳥のお土産が年々ふえる。なぜかちょうど良い場所に。
(礼)

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by trmt-ken | 2015-12-06 20:58 | 折々に・・・ | Comments(0)
清光院下のギャラリーにて『ブラームスの夕べ』
12月5日(土)、清光院下のギャラリーにて『ブラームスの夕べ』があります。松江クラシックス音楽祭フレンズの会親睦リサイタル
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ヴァイオリン:朝枝信彦、ピアノ:脇岡洋平
ブラームス:バイオリンソナタ1番「雨の歌」、ハンガリアン舞曲1番&9番
主催:松江クラシックス音楽祭フレンズの会
開演:17:00 (16:30開場)

ところで、ブラームスはお好き?〈Aimez-vous Brahms..〉
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サガンの中で一番好きな小説。何度も読んで、一緒に旅して、だいぶよれてきた。人のうわさに翻弄され、ゲームのようではあるけれど、なにより切実で実話ではないかとさえ思える。ういういしいお誘いが、題名のAimez-vous Brahms..。ハッピーエンドにしてあげればよいのにと、つぶやく。翻ってジョルジュサンドのシャンピは、年齢の差を超えた思いを実らせる。神話的力強さに満ちた作品。
(礼)

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by trmt-ken | 2015-12-01 21:07 | コンサート・催し | Comments(0)