定期的に5時間ほどの汽車の旅をする。今回の旅の友は「The Secret Garden」。子供の頃読んだ本をもう一度ゆっくりと原語で楽しむ。子供の時には気づかなかった、たくさんのこと・・・。 重要なところで言葉が標準語からヨークシャなまりになる。ほとばしる本音の叫び。そういえば、チャタレイ夫人もそうだった。いきものに触れたときにあふれ出る「不思議な感覚」も共通して。 Wick・・・息(いぎ)してる*。いきている。呼吸と生命が同じことだ。(*猪熊葉子訳-福音館書店-による) Wutherin・・・荒れ狂うムーアは「嵐が丘」へとつながる感覚。風土を「聞く」ため本をひらくのではないかとさえ思われて。 それから・・・たくさんの象徴性。なぜディコンが葦笛をもって登場するか、なぜディコンの母親が青いマントを着て現れるか、金のラッパの日、・・・大人になってあらためて子供の世界におさまりきらぬ豊かさに瞠目する。 実は一度取り寄せに失敗したのだった。妙に安価だなと思ったら、ペラペラの「あらすじ」のような本が届いた。子供の本のあらすじを知ってどうなるの。宝物は細部やちょっとした言葉遣いにこそ。 そして言葉を駆使して表現するのが文学ならば、建築はかたちを通して考えるしごとだと思うのだ。力や風や色や肌触りを胸いっぱいに吸い込んで。息(いぎ)をするように、風土に向かって網を投げるように。 (礼)
by trmt-ken
| 2017-07-18 19:52
| 読書日記
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by 寺本建築・都市研究所 タグ
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