構造への挑戦が推進力であった時代があった。権力の誇示や自然までも征服しようとの意志が、歴史を進めた時代もあった。ロコロはむしろ様々な分野の相互関係の緊密さに目を見張る。虚像までも仲間に吸い込んでどこまでいくのか。 Paris:Hotelde Soubise しかし、Soubise館冬の間(Boffrand)に入ると、建築要素が鏡に映る虚像につながり、枠、家具の形や張られたつづれ織の模様、陶器、銀器にまでうねうねと連続し、無限にからみあう世界に引きずり込まれる。そして虚像が再び鏡に映る。エレガントな色調と曲線にひそむ魔術的世界。 絵画と彫刻と共同することは昔からあった。天井と壁が連続することもあった。しかし境目を越え職種を越えて覆いつくされると、妙に足元がこころもとない。世界がとろけだす。自分の中で何かが抵抗し、緊張が生じる・・・不思議な体験。 反転曲線という自在な道具を駆使し、アールヌーボーの芽をはらむ虚空間。 (礼)
by trmt-ken
| 2016-11-03 20:41
| 建築
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by 寺本建築・都市研究所 タグ
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