私的脳内現象について
金縛りのような感覚があった時を思い返してみると、いくつかの分野で同時に刺激を受けていたことに思い至る。
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VillaCAPRA :VICENZA

たとえば、パリで見たドンジョバンニの映画。音楽+映像に加え、言語はイタリア語(この時、フランス語に近いのがわかった)、字幕はフランス語(留学2年目で、慣れ始めた頃)、舞台はベネチアなどのパラディオの別荘・・・(ロリン・マゼール指揮、キリテ・カナワなど)豪華舞台はおくとして、不慣れな言葉をステレオで理解しようとする時、何かの【たが】がはずれてしまうのかとも思う。もう一度体験してみたいものだ。
芝生の上を巻紙を広げながらのレポレロのカタログの歌『ミッレ・エ・トレ!』と叫ぶところは『ミル・エ・トロワ!』と字幕。言葉のさざ波がよせてくる。その波に酔う。

もう一つ。テレビで見た野田秀樹「赤鬼」のロンドン公演。英語セリフで日本語字幕付。それまで演劇は敬遠気味だったが、この時は女優の友人に思わず電話してしまった。

短期間にフランス語を詰め込んで、考えることからメモ・手紙にわたるまで一気に切り替えた時、単語を聞くだけで、めまいと吐き気に襲われた。これも脳内で何かの現象が起きたのかなと思う。それから、ついに完璧にマスターしなかったあかしか、聞こうと意識しないと言葉が入ってこない。身近にそのような研究者がいないが、聞いてみたいことの一つ。
ジョイスのように多言語を操る人にとって、言葉は複合的な相貌が幾重にも重なって立ち上がるのだろうか。

建築に引きよせて考えると、空間の構成・構造・素材・明るさ・色・響き・反映など、様々な要素が同時進行する分野ではある。限りなく相互に響きあって。人生は短く、道ははるか遠い。
(礼)

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by trmt-ken | 2015-12-26 17:43 | 折々に・・・ | Comments(0)
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