母が私の出産直前までGHQで働いていて、上司の米国婦人より出産祝いにと頂いた市松人形。ぼろっちくなったガラスケースの裏には、3人の贈り主の名前があった。本来ならば答礼人形として、渡米予定だったのかもしれない。
母も祖母も人形が大好きで、家にはひな人形のほかにも、フランス人形だの、ミルクのみ人形だの、地方土産のこけしなどがあった。弟まで人形好きになり、自分の人形がなかった時悲痛な声で泣いたので、以降人形は姉と私と弟用に3対ずつとなった。 祖母と姉は和裁をするので、着物を作って着せ替えていた。私は自己流の洋服を。写真の人形は珍しく、当初からの古風な支度のまま。 娘が生まれた時、ひな人形を探して浅草橋あたりの人形屋さん街を廻った。なかなかみつからず、引っ越してきた松江で、待っていたようなおひな様に出会えた。佳日を選んでお輿入れ。また、松江が好きになった。「ひとかた」を笹舟で流す雛祭りは島根にきて知った。人の形になると、物以上のなにかが宿る。 (礼)
by trmt-ken
| 2015-11-14 21:07
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