日々な建築・普段な住宅
軽井沢の別荘(吉村順三)
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学生の時、「コンクリート造の1階とその上に載っている木造2階のバランスがとても良い」と思っていました。改めて2階の居間や食堂の様子を眺めると、2階は森の中に浮かんでいる「人間の巣」。大昔の人類が木の上に住んでいるころはこんな感じだったのかナア、と感心します。2階居間のお手本ともいうべき空間。
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森に浮かぶ居間

倉の増築(ピーターズント-)
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200年前の倉の建っている広い農地に別荘(書斎)を建てることになった時のこと。倉を壊してその跡地に新築するか、それとも倉を眺める位置にするか思案した結果、倉の増築として建てることになったということです。「古い建物は壊さず再利用するもの」というズント-さんの主張が聞こえてきます。

吉村さんとズントーさんの二つの小住宅は、足元を掘り下げることの大切さを教えてくれます。

モダニズム建築の現在-2の「懐かしい建築・新しい建築」のなかで以下のような記述をしました。
新しい建築は魅力的であり、新しさを目指すことは建築の本質的な行為の一つです。しかし、20世紀後半の新しさへの志向には、大きな勘違いがあったのではないか。「建築家の自己表現」などという言葉に代表されるように、建築にとって新しいことや独創性のみが大切であるという勘違いや落し穴に陥ったのではないか・・・。周辺の街並みや自然環境、建築の利用者を大切にすることの中から、おのずとほのかに浮かび上がってくるものこそが建築の個性であり、独創性と呼ばれるべきものではないのか・・・と考えています。

「新しさや独創性へのこだわりが、現代建築の混乱を増幅している」という論の先に何が見えてくるか・・・と思案しながら、
○右肩上がりや上昇志向の限界が見えてきている現在、時代にふさわしい建築を目指したい。
○普通の建築を丁寧につくることが大切ではないか。
○「普通」や「丁寧」を深めることが、次のステップにつながると思う。
などと考え、日々の仕事に向かっています。

4月中は、米子のMint chu chu Leather 川口淳平商店で、居心地の良い住宅についての展示を行なっています。
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背後が守られ前方が開けた空間は居心地の良い場所
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敷地面積:45~60坪、建物面積:30~40坪程度の「小さな家に豊かに住む」というテーマです。「普通で丁寧」を言葉でどう表現しようか迷っています。「土な建築・土なモダニズム」に倣って「日々な建築・普段な住宅」などが候補ですが、いまいち!との評があり。
(和)

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by trmt-ken | 2015-04-16 16:21 | 現代建築の現在 | Comments(0)
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